★漆黒のアーシー・ソウルと激烈な躍動パワーがみなぎった活劇ライヴ編! TRIO 3 + GERI ALLEN
- 2011.09.03 Saturday
- 07:16
★漆黒のアーシー・ソウルと激烈な躍動パワーがみなぎった活劇ライヴ編! TRIO 3 + GERI ALLEN
今回はジェリ・アレンを迎えてのメリー・ルー・ウィリアムス集!
●TRIO 3 + GERI ALLEN / CELEBRATING MARY LOU WILLIAMS
お馴染みオリヴァー・レイク(1942〜)を中心とする巨頭3人組ユニット:Trio 3の、今回は、彼ら大親分衆とは交流も深いジェリ・アレン(1957〜)が加わった4人体制(この顔ぶれで過去1作あり)による、アレンにとっては思い入れもひとしおの故メリー・ルー・ウィリアムス、作の名曲群をレパートリーとした、NYバードランドでの企画ライヴ編。強堅で歯切れのいい感触を呈しつつ、縦横無尽に鋭角的な凸凹軌跡を描いてゆく骨太ピアノと、旨口ファンキー・ソウルに溢れながらアブストラクトな奇襲転回ワザも多々滑り込ませてくる、どこか飄々としたユーモア香る吟醸アルト、のコントラストも絶妙な濃い口のやりとり、を中心として、基本はあくまでブルージー・スウィンギンな、形式もしっかりした娯楽活劇風の熱演が力強く展開される豊穣内容。セッション感覚の単純明快なハード・バピッシュ奏演、が中々タフ&ストロングにがっつり決め込まれ、自由形っぽく奔放激烈な攻勢モードへも頻々と突入してゆくソロ合戦の、超白熱した生々しい盛り上がり、並びに、それを受けて基底リズムも意表を衝いてくるような崩れ変動ぶりを見せたりなど、予断を許さぬ起伏満点の道筋形成、とで理屈抜きに昂揚させてくれる。レイクの、アーシー・グルーヴィーに黒光りするような直球型の渋旨メロディック節をカラッと紡ぎつつ、よりグツグツと灼熱っぽく煮えたぎるスピリチュアル咆哮や、音色もフリーキーに爆裂したワイルドな抽象派の大暴れ絶叫プレイ、などへも瞬時に軽々転じて見せる、という、醸熟・芳醇にしてゲリラティックな「遊撃」風のインプロヴィゼーションが、何より圧倒的に素晴らしい。一方アレンの、概ねストレートアヘッドな非フリー型の硬派王道スタイルで先ずは抑え役を担いながら、しかしバラード曲辺りでは、「反撃させて貰うけ〜の〜」とただならぬ真剣気迫(→「覚悟しいや!!!」)の漆黒メランコリック節をじっくりと、濃厚に紡ぎ上げて独壇場を成す、というその含蓄豊かな立ち働きもGOOD。
1. Introduction by Gianni Valenti, Birdland
2. Blues For Peter
3. Ghost Of Love
4. New Musical Express
5. Intermission
6. What's Your Story, Morning Glory
7. Libra
8. Roll'Em
Oliver Lake(as)
Geri Allen(p)
Reggie Workman(b)
Andrew Cyrille(ds)
2010年8月19,21日ニューヨークのBirdland Jazzclubでのライヴ録音
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●TRIO 3 + IRENE SCHWEIZER (トリオ3 + イレーネ・シュヴァイツァー) / BERNE CONCERT
PalmettoやMargeの作品が大評判だったお馴染みの巨頭3人組と、スイスの重鎮I・シュヴァイツァー女史が組んだライヴ編。締まりの利いたしなやかなアルトの、アブストラクトだが根は情魂肌っぽい熱気あるダイナミック・ブロウと、より冷厳げで鋭角的なヨーロピアン抽象派の神髄然としたピアノの半アクロバティカル攻勢、の息詰まるスリリングな駆け引き&機転あるコンビワーク、を先ずはハイライトに、興趣を多様に散らしながらの伸び伸び構えた気力充実のフリー派快演が楽しげに展開してゆく。
Irene Schweizer(p)
Oliver Lake(as)
Reggie Workman(b)
Andrew Cyrille(ds)
2007年11月23日スイス-ベルン(#2のみ24日チューリッヒ)でのライヴ録音
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