★ERRABAL 新譜2作品 : Miguel Salvador : RS Faktor Quintet & ERRABAL小特集

  • 2011.07.22 Friday
  • 23:53
★ERRABAL 新譜2作品 : Miguel Salvador : RS Faktor Quintet

スペインの秀逸レーベルERRABALより新譜2作品!

RS Faktor Quintet / Starting !

Ruben Salvador (tp, flh)
Julen Izarra (ts)
Satxa Soriazu (p)
Javier Mayor de la Iglesia (b)
Hilario Rodeiro (ds)



トランペット奏者 Ruben Salvador 率いる RS Faktor Quintet の最新録音盤。派手さはないものの真摯に奏でられるトランペットは、奇を衒うことなく実直で清々しいふくよかな響きがストレートに耳に届きます。エネルギーが巧みにコントロールされたクールなメロディラインにも、勝負どころではハチのひと刺しの如く切れ込む旋律の捌き方は秀逸。リズム陣の際立つパフォーマンスも全体をキュッと引き締めリスナーの耳を満足させてくれます!(新譜案内より)

1. Nire Lagunentzat
2. Starting
3. Hortzak
4. P.F.B.
5. The Power of Dreams
6. Bonica
7. Buenos Modales
8. Madame Poiro

Miguel Salvador Project ミギュエル・サルヴァドール / Viaje a Etreum

Miguel Salvador (g)
Mikel Andueza (as)
Jon Piris (b)
Hasier Oleaga (ds)



ギタリスト Miguel Salvador を中心としたカルテットのニューアルバム。
アルトサックスがクールに唱いあげ、背後で軽快に煽る変幻自在のギターといった場面を展開させ、コンパクトに纏めながらも力強く、変拍子の曲も小気味良くコナすリズムなど聴き所が満載です。軽快さを伴いながらも複雑に入り組んだ個性的なトラックが目白押しですが、難解さを露骨に感じさせることのない技量と、仄かな歌心を感じさせる入魂の1枚!(新譜案内より)

1. Cita Con Z (6:57)
2. El Segundo Escalon (7:22)
3. Paranormal (6:24)
4. Dibuk (7:11)
5. Viaje A Etreum (7:15)
6. El Dia Que Vi Tus Ojos (5:51)
7. Meteora (9:21)

▼ERRABALのギター作品▼
MIGUEL SALVADOR PROJECT / MIGUEL SALVADOR PROJECT
スペインで活躍する個性派ポルトガル人ギタリストMIGUEL SALVADOR の、カルテットによる自作曲集。潤い豊かで曇りや濁りも絶妙に利いた、適宜厚みある妖艶なギター・トーンでの、甘さ抑えめの陰影濃い機動的ダイナミック・プレイ、がスリリングかつテイスティーに鋭く絵を飾った好内容。

JOAQUIN CHACON / PROMENADE
Kenny Burrell、Barney Kessel、Jimmy Raneyらジャズ・ギターの大御所から多大な影響を受けたというスペインのギタリスト、Joaquin Chacon。その通り、小粋でスインギー、派手さを抑えた控えめなフレージング、味なピッキン、、、と聴いていて非常に気持ちのいい1枚。(新譜案内より)



▼ERRABALのオススメ作品▼


DE DIEGO BROTHERS / ODOLA SANGRE



バルセロナ・シーンで多忙に活躍するde Diego二兄弟、=トランペットのJuan(1968年スペインのBilbao生まれ)とテナーサックスのVictor(1964年スペインのBilbao生まれ)、のコラボ団(クインテット)による一作。2009年12月バルセロナ録音。息もピッタリなホーン陣の、鮮度抜群にしてまろやかさ(=微妙なユルさ?)ある流麗なアンサンブル、並びに各々の、腰の据わった旨味こってりなブルージー・ソロの濃密リレー、とでひたすら明快芳醇に楽しませるエンタテイメント指向の逸編である。ブルース色豊かでシンプル・ストレートな歌謡的情緒性(=親しみやすくおいしいメロディアスさ)を徹頭徹尾大切にした、曲によってリズム・スタイル面には適宜多様な変化がつけられて空気感のリフレッシュが図られながらの、人情娯楽派の鑑とも云うべきスッキリ明朗旨口なハード・バップ快演が続く。

ALEJANDRO DI COSTANZO TRIO / LOMAS



ブエノスアイレスとバルセロナを行き来しつつ旺盛に活躍しているアルゼンチン出身のピアニスト:Alejandro Di Costanzoの、トリオによる一編。キレよくクッキリと音の立った、安定感&潤いある凛々しげな鮮明タッチでの、哀切な詩情と鋭敏なダイナミズムをイキイキ体現してゆく、ブレのないフレッシュ・クリアーな正攻法プレイ!が清やかに絵を飾った好投内容編。

Yoio Cuesta / Back To The 40's 



幅広い芸能キャリアを持つスペインの美人歌手:Yoio Cuestaの、変動的コンボ伴奏での一編(歌詞は英語)。クリーンな透明感とスウィートな潤いに溢れ、きめ濃やかでいてソフト&ワイドな包容力(しなやかな伸び)もしっかり備わった、微妙な掠れハスキー感ある中高音のキュート・ヴォイスによる、「語り節」風の甘美で優しいロマンティック・スタイルに本領アリの繊細リリカル歌唱、が瑞々しくも中々味わい豊かに絵を飾った快適内容である。バック陣の、趣味のいいムーディーなラウンジ感覚の和みバピッシュ演奏、も心地よさ抜群に、バラードやミディアム・スローなどの寛ぎ調をメインとしたインティメイトで小気味よい、軽妙瀟洒指向の行き方が続き、Cuestaの、柔和で可憐げ、それでいて馨しい艶っぽさや吟醸味も微細に垣間見せる、という、フレッシュかつ行間深き語り口が何とも粋に冴えている。

Marta Sanchez Trio / Lunas, Soles Y Elefantes



スペインの女性ピアニストMarta Sanchezのトリオ作。しっとりした爽涼かつ繊細な潤い感と、強固な安定性?硬質さを併せ持った、折り目正しくきめ濃やかな美麗タッチでの、アンニュイにまどろむような心象スケッチ風の耽美的ロマンティシズム表現であったり、重厚でキレよく威勢満点のハードな力学的アクションであったり、の抑揚豊かな機動型リリカル・プレイがスッキリと、清新に座を飾った好投内容。ベース、ドラムの情味溢れるフレキシブルな立体的助演もGOOD。

PEOPLE ARE MACHINES / JAZZ GETXO



人気ピアノ:Magnus Hjorthを含む、テナーを中心としたデンマーク-コペンハーゲンの若手精鋭カルテット(2004年結成)(Calibratedにも吹き込みがある)の、2007年のGetxoジャズ祭(スペイン)でのライヴの模様を収めた一作。ドライヴ感満点に雄々しくも哀感豊かなスピリチュアル節を歌う肉太テナーの勇躍と、キレのある鋭角的タッチ(適度にパーカッシヴ)で陰影濃いダイナミズム攻勢を決め込むピアノの毅然げな機動ぶり、の密なコンビネーション並びにバトル、を核として、精悍軒昂な直球勝負のハード・バップ熱演がビシビシ展開してゆく壮快エキサイティング編。

新譜作品オススメです!★STUNT のCD 新譜 & 旧譜

  • 2011.06.15 Wednesday
  • 21:50
★STUNT のCD 新譜 & 旧譜

デンマークの秀逸レーベルSTUNT 小特集

▼新譜▼
最新コンピレーション盤付き特別限定仕様版! 深遠な音響カラーリングで瑞々しく魅せる、美メロ満載のコンテンポラリー抒情派ピアノ・トリオ
JACOB KARLZON 3 ヤコブ・カールソン / THE BIG PICTURE



きめ濃やかで清涼な潤いに溢れた端麗タッチであったり、より重量感や厚みを増した暗影濃い岩石タッチであったりの、アコースティック・ピアノによる緩急・柔剛も自在な多層多角的メロディアス・プレイ、が中心の華として一本芯の通ったわりかしシンプル・ストレートな美味しい映えを示しつつ、他の鍵盤楽器(や電脳)を用いた鳴音も同時並行的に飛び交い、被って、カラフルで深遠な奥行き・広がりを瑞々しく演出してゆく、中々に爽快かつテイスティーな好内容。音響デザイン面にトリッキーな意匠は多々あるが、基本的な演奏スタイルは極めてオーソドックスなコンテンポラリー抒情派モード・ジャズの一典型らしい、しっとりムードの耽美的バラードやライト&ポップな寛ぎヒーリング路線、イキのいいダイナミックなファンク・グルーヴ調、などといった親しみやすい明快メロディック指向の娯楽的トラックが連続する、という道程展開で、トントン拍子に聴き進ませてくれる。繊細で深い瞑想感を伴いつつも決して内省気分に耽溺せず抑制力を保持した行間豊かなバラード表現や、硬派で渋旨なファンキー・ソウル全開の骨太リズミカル・グルーヴ熱演、癒し的なソフィスティケーションを重視したニューエイジ風の快適妙演、など、カールソンのオールラウンドな辣腕ぶりがフル発揮されながら、全体はサラリとした淡麗でスタイリッシュな絵画的色彩美の世界に軽々仕上げられている感があり、見事。

▼新譜▼
ボブ・ロックウエル 参加! 北欧王道ハードバップサウンド!

Ole Matthiessen オーレ・マティエセン / Past and Present

ピアニスト、コンポーザー、プロデューサーとして活躍を続けるオーレ・マティエセンの最新作は、ボブ・ロックウェルのヘヴィーなサックス、ヘンリク・ボルベルクの俊敏なラッパをフィーチャーした作品。軽快な4ビートを基調に、サックスとトランペットの音が絶妙に混ざり合う。ガレスピーやハンコックの良き時代を彷彿とさせながらも、新しき時代も見つめたセミ・オーセンティックな作風。とにかくサックスとラッパがいい!!

印象的なジャケット写真は、写真家フィエ・ヨハンセンによるベルリンの壁のアートと落書き。ディジパックやブックレットにも、同じくベルリンの壁の写真を多数掲載。落書きには日本語や、ベルリンの壁らしくヒトラーの似顔絵も。(新譜案内より)


▼新譜▼
Marilyn Mazur Group マリリン・マズール・グループ / タングルド・テン プテイションズ&ザ・マジック・ボックス



マリリン・マズールは、マイルス・バンドへの参加やヤン・ガルバレクとの共演で活躍を続けるデンマークの女流パーカッショニスト。最近ではジャズ・オーディオ・ディスク大賞金賞で一躍注目を浴びた平林牧子の「Hide and Seek」への参加、及びその後の平林牧子との来日公演が記憶に新しいところだろう。作編曲のみならず、ピアノやダンスなども巧みな多才アーティストでマズール一足踏み込んだ意欲作。CD1の「タングルド・テンプテイションズ(絡みつく誘惑)」は、2009年に上演された"モダン・マルチメディア・ヴァージョン" 「乞食オペラ」のための音楽のライヴ録音。数えきれないほどのパーカッションをドラムセットの周りに配置しゴージャズなモダン・アートを描き出す。スタジオ録音の「ザ・マジック・ボックス(魔法の箱)」も、マズールの歌あり、民族楽器ありの濃厚なアルバム。プログレ・ファンや、ジャズ・ロック好きには絶対オススメ! マズールの夫君であり平林牧子トリオとして一緒に来日したベーシストのクラウス・ホフマンを初め、朋友フレドリク・ルンディンなど、マズールが信頼する強力な仲間たちに支えられての、溢れんばかりの才能を刻み込んだアルバムだ。(新譜案内より)

▼STUNT 人気 & オススメ作品▼
CD+PAL方式DVD THE ED THIGPEN TRIO エド・シグペン / LIVE AT TIVOLI COPENHAGEN - YOU AND THE NIGHT AND THE MUSIC
カーステン・ダールの吟醸魂も最高潮にハジける痛快娯楽活劇ライヴ!!
http://www.catfish-records.jp/product/11791

CD + PAL方式のDVD スコット・ハミルトン / LIVE AT NEFERTITI
明快気楽にしてチームワーク抜群の超充実リラックス・スウィンギン・セッション!! SCOTT HAMILTON SCANDINAVIAN FIVE
http://www.catfish-records.jp/product/8522

ANDERS CHRISTENSEN (アンデルス・クリステンセン) / DEAR SOMEONE
強硬さと耽美性が瑞々しくクラッシュする濃密ピアノ・トリオ!


http://www.catfish-records.jp/product/8006

SPACELAB / THE CHAMP
メロディアスでイキのいいハード・バピッシュ・オルガン熱演!

http://www.catfish-records.jp/product/8348

JAN HARBECK QUARTET / IN THE STILL OF THE NIGHT
優しくもこってり渋旨なレイジー・スモーキー・テナーのバラード名演

http://www.catfish-records.jp/product/7035

OLE MATTHIESSEN (オーレ・マティエセン) / PORTRAITS, POEMS & PLACES
陰影深く含蓄濃やかな落ち着いた哀愁バラード世界♪

http://www.catfish-records.jp/product/5493

HORACE PARLAN TRIO (ホレス・パーラン) / MY LITTLE BROWN BOOK
ホッと安心の味わい深い吟醸品

http://www.catfish-records.jp/product/4300

KASPER VILLAUME TRIO カスパー・ヴィヨーム / 117 DITMAS AVENUE
名手ジェフ・ワッツのサポートを得たトリオ・セッション編。

http://www.catfish-records.jp/product/1070


 

★ヤロン・ヘルマン、コンサート! いよいよ明日 9月24日 大名 「ROOMS」です!

  • 2010.09.23 Thursday
  • 17:37
 ★ヤロン・ヘルマン、 a.s.kとのダブルコンサート! いよいよ明日 9月24日 大名 「ROOMS」です!

イスラエル出身の個性派ピアニストヤロン・ヘルマン! 新しい世代の瑞々しい感性に溢れた作品をリリースし、その都度、高い評価を受けてきました。そのヤロンのライブ・コンサートがいよいよ明日24日です! 今回はグローバルな精力的活動で熱い注目を集めているa.s.kとのダブルコンサート!
場所は大名 ROOMS (キャットフィッシュレコードより徒歩5分!)この機会を是非是非お見逃しなき様!!!!




▼10月に下記新譜発売予定!▼
YARON HERMAN ヤーロン・ヘルマン / FOLLOW THE WHITE RABBIT


★オススメ! 北欧ジャズ HOT CLUBとTOUCHE MUSICのCD

  • 2010.03.22 Monday
  • 05:40
★オススメ! 北欧ジャズ HOT CLUBとTOUCHE MUSICのCD

安定的入荷が困難なHOT CLUB と TOUCHE MUSIC。
今週手配予定です。確実に入手するには3月23日午前中までにお願いします。

▼オススメ作品▼
MARIAN PETRESCU / BODY AND SOUL
ノルウェー・シーンで活躍するピアニストの、ギター入りカルテットによる一編。曲はスタンダード中心。スタイル的にも結構幅のある、歌心とスイング感に満ちた明朗な抒情派演奏
BODIL NISKA / NIGHT TIME 
ジャズ・オーディオ大賞2009 入賞作品!
BODIL NISKA / FIRST SONG
歌う、ロマンティックな抒情派リラクゼーション奏演が一貫
MAX SCHULTZ & ERIK SONDELIND / DEDICATIONS
2ギターのフレキシブルで多角的かつ安定してスインギーな抒情対話
AMANDA SEDGWICK / DELIGHTNESS
現代ハード・バップの王道ど真ん中を邁進してゆくような、硬軟兼備のストレート・スインギーな快演
JESPER LUNDGAARD & MADS VINDING / BASSMENTS
息もピッタリの歯切れよい掛け合い交感が、美味しい絵を成した豊穣内容
JESPER LUNDGAARD TRIO / PLAYS CORNELIS
ブルージーな哀愁歌謡的リリシズムに溢れた、ごく親しみやすいメロディアス奏演
LINDA PETTERSSON / WHO ARE YOU?
落ち着いた優しい調子の中に瞑想感や浮遊感も仄めく中々深遠な抒情派演唱
ANDERS PERSSON / LONELY FUNGUS
表情豊かでバランス感覚絶妙のテイスティー編
ANDERS LINDSKOG / CRY ME A RIVER
KJELL JANSSON QUARTET / BACK FROM WHERE WE CAME
深い哀歌っぽさ=独特の悲愁を含む歌曲タイプのオリジナル曲群の作風・情緒性が素晴らしい。

































カタログオファー!★FRESH SOUND NEW TALENT サンプラー付豪華フルカラーカタログ進呈!

  • 2010.02.04 Thursday
  • 08:03








 カタログオファー!★FRESH SOUND NEW TALENT サンプラー付豪華フルカラーカタログ進呈!

新しい逸材を発掘してきたスペインの秀逸レーベル! FRESH SOUND NEW TALENT!
Avishai Cohen (tp)を始め、多数の新星ジャズアーティストを輩出してきました。聴いてみたいけど、どんなタイトルがリリースされているのか、又、どれから聴いて良いか分からないという方! 今回、御買上の方にサンプラー付き豪華フルカラーカタログを進呈!まずは当店オススメの下記タイトルにご注目下さい。

NANDO MICHELIN / DUENDE
PIOTR WYLEZOL / CHILDREN'S EPISODE
JOAN MONNE TRIO / STANDARDS 
RAYNALD COLOM / SKETCHES OF GROOVE
JOAN MONNE / MIREIA
JOSTEIN GULBRANDSEN / TWELVE
GIULIA VALLE GROUP / DANZA IMPREVISTA
LOGAN RICHARDSON / CELEBRAL FLOW
AVISHAI COHEN / THE TRUMPET PLAYER
PERICO SAMBEAT / ADEMUZ
GERALD CLEAVER / VEIL OF NAMES









★人気レーベル!ドイツSKIP RECORDSの特集です!

  • 2009.08.26 Wednesday
  • 05:39

  ムード人気レーベル!ドイツSKIP RECORDSの特集です!ムード
旧譜の全部がまだ入手可能かどうか不明ですが、過去に入荷したタイトルのキャプションをご紹介致します。御注文頂きましたCDは注文手配致しますので、お問い合わせページ、あるいは、商品ページよりどうぞ!

WOLFGANG SCHLUTER / FOUR COLOURS
1
ハンブルクを拠点にドイツ・モダン・ジャズ・シーンの第一線で八面六臂に活躍、名匠ミヒャエル・ナウラのパートナーを長年に渡り務める一方、人気楽団NDRビッグ・バンドの顔=大幹部でも鳴らし、過去MRC、MPS、Koala-Panda、Extra、ACT等にアジな諸作品を残してきたベテラン・ヴィブラフォン奏者:Wolfgang Schlueter(1933年生まれ)の、近年率いているレギュラー・カルテットによる2007年ハンブルク・ジャズ祭でのライヴ録音作。骨太でメタリック、かつ流麗に波線を描いてゆくような自然な滑らかさや潤いもバッチリ備わった、おいしさ抜群で表情あるヴィブラフォン・トーンによる、ミルト・ジャクソンとボビー・ハッチャーソンの間ぐらい?な、ブルージー&モーダルな正攻法プレイが凛々しく爽やかに華を成し、一方、硬派バッパー然としたピアノの半アクロバティカルなアクション奮戦、も中々勇ましげに彩りを添えた、直球指向の痛快旨口昂揚編である。歌とブルースとスイング、にポイントを絞り込んだような、単純明快な正統娯楽的ハード・バップ大会が溌剌と、ダイナミックに展開してゆき、主役ヴィブラフォンの、ブルース由来のソウルフルな旨味をたっぷり込めつつ、起伏は烈しく中々シャープにドライヴのかかった弾むような躍動的スウィンギン・フレーズを清やかに紡ぎ、また幾何学的クールネスや都会的インテリ肌の微熱スピリチュアルさ?などを強調した新主流派モード路線の典型然たるアプローチ、も的確に盛り込んで劇的メリハリをキッチリつけてゆく(とりわけ#3はアレンジ構成もよく考えられたコンポジション指向の秀逸名演)、という、何げにバランスのとれたエンターテイニングな吟醸職人らしい立ち働き、がさすが懐深く芳醇に映え渡る他、幾分かセッション感覚っぽく荒削りに躍り回るピアノの渋い殺陣攻勢、も程好いコントラストで際立ち、大いに楽しませる。

1.Yes, I've Met Miss Jones 2.Minority 3.Recuerdos De Pollensa 4.It Might As Well Be Spring 5.Cherokee 6.Reunion Blues

Wolfgang Schluter(vib)Boris Netsvetaev(p)Philip Steen(b)Kai Bussenius(ds)2007年10月5日ドイツ-ハンブルク・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音


PETER WENIGER / SING YOUR SELF A DREAM
2
幾多のビッグ・バンドでの豊富な経験を活かした守備範囲の広い芸風・作風に定評を得、過去約20年来MonsそしてSkipにコンスタントなペースでリーダー録音を続けて人気を博してきたドイツの逸材ペーター・ヴェニガー(1964年ドイツのハンブルク生まれ)の、馴染みの面々とのカルテットによる一作。温もりと軽涼味が表裏一体化したような、陰影深く端正でまろやかなスモーキー・トーン(テナー)による、ブルージー・ソウルも自然と備わった繊細で優しいリリカル・プレイが、余情豊かに風格ある映えを見せた美味内容である。インタープレイ調の浮遊的サスペンスっぽい要素も適宜盛り込まれるが、基本はごく柔和で穏やかな、バラードやスロー・ボサ風などの頻出する落ち着いたリラクゼーション指向の抒情派奏演、が品よく快適に続き、主役サックスの、ヨーロッパ耽美浪漫派の一典型らしい自由即興度高めな徒然スケッチ風の、とめどなく潤滑にスイスイ流れ進んでゆくような哀愁フレージングや、ブルース&モードの旨味をたっぷり凝縮したストレートアヘッドな熱っぽい敏活スインギー・ブロウ、ソプラノのやや尖った音色を巧く活かしての激情孕む鋭利でスリリングなアクション攻勢、などなど、文体バリエーションに富んだ、しかし根底には生粋メロディストらしい明朗な「歌心」がしっかりと息づき、また奏法的にはゲッツ似のソフトな流線型スムース・スタイルが変わらぬ身上である、というその、多彩で迫真味深くもあくまで親しみやすいアドリブ探究の様、がフレッシュ&テイスティーに冴え渡って、心地よく楽しませてくれる。抑えの利いた、シャープな硬質的締まりあるピアノの助演も好印象。

1.Prayer 2.Ohla Maria 3.Amber 4.Alia 5.O Grande Amor 6.Remember EJ 7.When Lights Are Low 8.Old Rabbits's New Habits 9.Soft Breeze Over Green Field 10.Before We Start 11.The Vibe 12.First Day In The Country

Peter Weniger(ts,ss)Hubert Nuss(p)Martin Wind(b)Hans Dekker(ds)2008年作品


SUBTONE / ECHOLOT
3
Double Moonよりの一作「High Tide」(2006年)が中々だった、ドイツの若手精鋭5人チームの2作目。曲はメンバー持ち寄りのオリジナル。シャープ&フレッシュに眩く煌くような2管アンサンブルも要所要所で好アクセントを成しながら、歯切れよく威勢のいい情熱的メロディアス奏演が、ビシビシ鋭敏に展開してゆく爽快昂揚編である。リズム形式は今風で変化に富む、ダイナミックなアクション型リリカル路線、風の正統的モーダル・バピッシュ熱演が精悍げに続き、トランペット者の、光輝を放つようなピリッと鋭く張ったトーンでの、まろやかな詩的ロマンティック節とハードな突起破裂型の速射アタック技、を交錯させた、適度に荒削りな推進力抜群の立ち働き、が筆頭花形っぽく爽やかに映える他、サックス者の、微妙に熱っぽい尖り感と流麗スムースさの混じった音色による、レイジーでありエネルギッシュでもあるモード色濃厚な劇的ブロウや、ピアノ者の、モード&バップの基本イディオムにキッチリ則りつつクールな耽美派的バリエーション転回なども見せる、キリッとしたキレのある暗影深めの抑え役ぶり、も各々生鮮味充分に魅力を発揮して、飽きさせずエキサイティングに聴き進ませる。翳り濃い哀愁のフォーク・バラード調#5のドラマティックな風情が白眉。

1.Eight Kings 2.Madame Moustache 3.Echolot 4.Uphill 5.Nachklang 6.Trance Dance 7.Rubato 8.Recovered

Magnus Schriefl(tp,flh)Malte Durrschnabel(as,ss)Florian Hofner(p)Benjamin Hiesinger(b)Peter Gall(ds)2009年作品


TINGVALL TRIO / NORR
4
Skipよりの一作「Skagerrak」が好評を得ていた、主にドイツで活躍するスウェーデン出身のピアニスト:Martin Tingvall率いるトリオ(2003年結成)の最新作。2008年制作。曲は全て本人の自作。透明感や冷涼味に富んだ繊細な、かつキレ(や勢い)もある生鮮クリアー・タッチでの、しっとり優しい耽美派エレガンス趣向と、エモーショナル&ダイナミックな突撃疾走モード、の間を自在に行き来する、メリハリに富んだリリカル・プレイが爽やかな魅力を放った好内容である。リズム等のスタイルは多様で緩急の起伏も豊富だが、先ず何よりメロディーの美しさ・親しみやすさ=情感を込めて明晰に歌うこと、を全編通じてのキーポイントとした、中々ハートフルでロマネスクな劇的妙演が軽快滑脱に続き、主役ピアノの、振り幅大きくも均整ある、何げにドラマツルギーを心得た根は明朗歌謡肌のストーリーテラーぶりがスッキリと冴えている。語法〜アプローチは多岐に及ぶが、中でも、キース的なフォーク&ゴスペル色を加味したヨーロッパ浪漫派の一典型らしいクール&マイルドな耽美的・バラード的寛ぎフレージング、をベースとしながら、粋筋ファンキー系のイナセな小唄的ソウルフル節も混入させてくる、という、小回りの利いた表情多彩な牧歌調の文脈展開、に得難い清新さ〜キラキラ感があり、またモード派のオーソドキシーに沿ったパーカッシヴな熱血アクション攻勢、のカラッとした壮快さもGOOD。

1.Utsikt 2.Grrr 3.Snarestad Folkvisa 4.Barnslig 5.Norr 6.Mjau 7.Batsregn 8.Sekund 9.Trolldans 10.Monster 11.Bachibas

Martin Tingvall(p)Omar Rodriguez Calvo(b)Jorgen Spiegel(ds)


WOLFGANG SCHMID / LET THE GROOVE BEGIN...
5
ドイツ・シーンで長らく活躍し、チャーリー・アントリーニ、クラウス・ドルディンガー(パスポートとか)らのサイドや、NDRビッグ・バンドで腕を揮いつつ、自己のコンボや連名企画ユニット等も精力的に推進、20数年来BellやTiptoeに数々のユニークな吹き込みを残してきた、コンテンポラリー肌の辣腕ベーシストの快作。編成はギター、アルト、鍵盤者、ドラムとのクインテットが基本。ザラつき&濁りの利いたgの細かな蠢き=リズミカル鳴動や、端麗かつ妖艶なelpの幻想的リリカル・プレイ、などが利いて70年代のファンク・ジャズ〜ジャズ・ロック路線に似た風趣が醸し出されるところもある、ノリノリのビートに乗せたファンク・グルーヴ〜クラブ・ジャズ・タイプのキャッチー&ソウルフルな熱演が鋭敏に展開してゆく、渋い旨味も充分の壮快昂揚編である。曲によってパターンも様々な、舞踏的グルーヴ感溢れるコンテンポラリーめの律動型ビートに乗っての、明快でメロディアスな、熱のこもったリリカル・アクション調の奮戦が続き、elb者の、シャープで力強いバネ〜バウンド跳躍力の利いた厚みあるうねり轟鳴、が空間の中心でこってり芳醇に際立ちつつ、各人の、中々硬派でエネルギッシュなソロが鮮烈に見せ場を分け合ってゆく。as者の、ファンキー・ソウルと熱血スピリチュアリティ一杯のカラッとしたイキのいい立ち回りや、g者の、バピッシュ&ブルージーなシブめの吟醸的プレイと妖しくワイルドなコンテンポラリー技(ジョンスコ風とか)を自在に使い分けた予断ならぬ機動ぶり、など、瑞々しい個人芸の名場面も多数用意された、歯応え充分の好品。

Let The Groove Begin,Wrap Me Up,Dancing In The Rain,The Nerve,That's Why他全9曲収録
Wolfgang Schmid(b,voice,loops)Antonio Lucaciu(as)Peter Wolpl(g,synth)Benedikt Moser(elp,key)Oli Rubow(ds,per,electronics)


PETER FESSLER & NDR BIG BAND / I CONCENTRATE ON YOU
6
ドイツのみならずオランダやアメリカにも頻繁に赴きつつ国際的活躍を続け、Minor MusicやSkipに優れた吹き込みを残してきた人気シンガー:P・フェスラーの、名門NDRビッグ・バンドと組んだ快作。曲はスタンダード中心。爽涼で柔らかな、潤いにも富んだきめの細かい中音域のマイルド・ヴォイスによる、優しくエレガントな、中々ニュアンスの深い端麗リリカル演唱が瀟洒に、余情ある映えを示した快適内容である。ビッグ・バンドの、抑制の利いたクール&デリケートな耽美的寛ぎ演奏もおいしく際立ちながら、緩急メリハリは適宜細かにつけられるも概ねバラード的コンセプトを基本とした、和み調子のソフィスティケートな行き方が小気味よく潤滑に続き、主役voの、濃やかな機微と洒落たウィットそして柔和で深い包容力、を有した、自然体にして抑揚ある流麗滑脱な語り口が颯爽と冴えている。肩の力を抜いて語り・つぶやきに節をつけてゆく、ような、ソフト&スムースな寛ぎフレージングを根幹としつつ、随所で微細にドスやキレを利かせたブルージーorダイナミックな小節も織り混ぜて、流れに弾み&勢いをつけ、何げに力強くドラマティックなメリハリを醸成してゆく、という、一聴巧みなげな洗練されたストーリーテリングの妙は絶品で、管楽器系始めバック陣のソロ活躍も中々に充実した芳醇さを示している。

My One And Only Love,You Go To My Head,Triste,My Foolish Heart,Dindi他全10曲収録
Peter Fessler(vo)Steve Gray(musical director,p,elp)Thorsten Benkenstein,Ingolf Burkhardt,Claus Stotter,Reiner Winterschladen,Dirk Lentschat,Michael Leuschner,Benny Brown(tp,flh)Dan Gottshall,Nils Landgren,Stephan Lottermann,Ingo Lahme(tb)Fiete Felsch,Peter Bolte,Christof Lauer,Lutz Buchner,Frank Delle(sax,fl)Stephan Diez(g)Wladyslav Sendecki(p)Lucas Lindholm(b)Danny Gottlieb,Gary Husband(ds)Marcio Doctor(per)


TINGVALL TRIO / SKAGERRAK
7
ドイツの若手ピアニスト率いるトリオの一編。独Osnabruck録音。曲はp者の自作。しっとりめの端麗なクールネスと、エネルギッシュ&ダイナミックな高揚パワー、を併せ持った、中々振り幅の大きな劇的快演がフレッシュに展開される敢闘内容である。刻々とフレキシブルにその形式・パターンを変転させるコンテンポラリーな多岐リズミカル・ビート(ストレートな4ビートもある)に乗せての、現代ヨーロピアンらしいスマートな洗練味と一定の詩的情緒性〜メロディアスさを基底に保った、緩急のメリハリ満点なリリカルめの行き方が続き、主役pの、爽涼で滑らかなタッチ(時折パーカッシヴな鋭角さも発揮)による、表情多彩で滑脱、それでいてあくまで開放的娯楽性を重視した歯切れよく掴みのいいプレイが、スッキリと清やかに冴えている。→ヨーロッパ抒情派の本道らしい、デリケートで甘美な夢幻的ロマンティシズム(またはフォークっぽい牧歌的スピリチュアリティ)に溢れたムードたっぷりのバラード、に出色の妙味が示される他、ゴスペル〜R&B系統の歌謡色も加味した勇ましげなファンキー熱演や、モード色濃いアグレッシヴな熱血ダイナミック・アクション攻勢(マッコイ〜ハンコック系統)、にも冴えたキレとコクがあり、興趣はバラエティー豊富で飽きさせない。良質作。

Sjorup,Movie,Mustasch,Avsked,Norrland Guld,Skagerrak,Medvind,Brollop他全14曲収録
Martin Tingvall(p)Omar Rodriguez Calvo(b)Jurgen Spiegel(ds)


ALBERT MANGELSDORFF / TRIPLICITY

82005年7月25日フランクフルトの自宅で亡くなった、ドイツのニュー・ジャズ界を代表する巨匠アルバート・マンゲルスドルフ(1928年フランクフルト・アム・マイン生まれ)の、本盤は、中々強力な顔ぶれのトリオによる、1979年4月ハンブルクで録られていた未発表スタジオ・ライヴ音源の初ディスク化。曲はオリジナル。場面場面でビート・パターンも自在に変移してゆく、極めて自由即興度の高い奔放な抒情的インタープレイが流麗溌剌と展開してゆく、長尺だが一時も飽きさせない充実内容である。デュオ状態やソロ状態も適宜盛り込まれながらの、ドッシリ腰の据わった、それでいてキレよく推進力も抜群な突撃滑走が続き、マンゲルスドルフの、牧歌的でおおらかなブルース(&フォーク)・スピリットと、半ゲリラティックな飄々としたユーモア感覚、にしっかりと根ざした人情味たっぷりな、かつアブストラクトな解放感(自由謳歌気分)も満載した明朗滑脱この上なしの歌い泳ぎっぷり以下、各人の歌謡性とグルーヴ感を基底に保った即興のやりとりが、中々に気さくで美味しい見せ場をキビキビと飾ってゆく(ビター・テイスト〜無調性を強化した硬派フリー・ジャズ・タイプの熱演曲も若干ある)。音色の形状〜彫りの深さや陰影の度合いも刻々自在に変化させながら、さりげなく超ハイ・テクニックで隅々まで緻密な精確さと旨味の行き届いた、しかし表面上はあくまで平易で親しみやすい風合いを絶やさず波乗り感覚の流暢なフレージングに終始するマンゲルスドルフ、その実に懐深いインプロヴィゼーションの奥義が全編に渡って遺憾なく楽しげに発揮され、また鋭敏にしてウォームな包容的スピリチュアリティ溢れるA・アンデルセンのソロも芳醇な余韻を残す、全体的に、ジミー・ジュフリー3辺りにも底通するカラッと陽気でドライな風通しのいい青空気分に包まれた、独創的リリカル・フリー・バップの逸編。

Triplicity,Soulbird,Outhouse,Virgin Green Of Spring,Subconscious Skylark他全10曲収録
Albert Mangelsdorff(tb)Arild Andersen(b)Pierre Favre(ds)


DON FRIEDMAN / SALZAU TRIO.LIVE AT JAZZ BALTICA
9
好調ドン・フリードマン(1935年カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ)の新トリオによるドイツ-Salzauでのライヴ実況編。伸び伸びと構えた自然体調子の敏活溌剌な抒情派演奏=ライヴならではの加熱昂揚的勢いと粘り感も充分な長尺めの敢闘トラック、が連続する中々にホットな壮快内容である。エヴァンス派第一世代たるその原点に立ち返ったようなフリードマンの、多くの場面でエヴァンス語法をストレートに活用しつつ、バネを利かせてダイナミック&ロマンティックにイキイキと舞い躍る耽美的アクティヴ・メロディストぶりが清々しい、キレと風通しも抜群の明快でスインギーな邁進が一貫し、道程にはシンプル&フレッシュな情味と興奮が横溢。エヴァンス節をあくまで文体の基本根幹としてマイルドかつスリリングに詩情を活写しつつ、より硬質なバップ・イディオム技やファンキー・フレージング、モーダルな熱情的ダイナミズム攻勢、といった転回も盛り込んで表情豊かに力強く劇的ストーリーラインを紡ぎ上げてゆくフリードマンの、仕掛けを排した正攻法勝負のおおらかな(ちょっと荒削りな)ハッスル具合が全編を通じて生鮮度満点に映え、腕利きサイド2者のスケール満点かつ機動性に長けた結構綿密なサポートも美味しく際立った、理屈抜きにスカッとする芳醇エキサイティング作品。

I Hear A Rhapsody,You Must Believe In Spring,Alone Together,Half & Half他全7曲収録
Don Friedman(p)Martin Wind(b)Terri Lyne Carrington(ds)


PETER WENIGER / LEGAL PRARADIZER
10
幾多のビッグ・バンドでの豊富な経験を活かした守備範囲の広い芸風・作風に定評を得、過去10数年来Monsにコンスタントなペースでリーダー録音を続けて人気を博してきた、ドイツの逸材ペーター・ヴェニガーの、本盤はシンプルなピアノレス・トリオで軽やかかつ深い表現力が発揮された会心打編。全曲本人のオリジナル。シャープな感触と敏速な跳躍感に溢れたエレキ・ベースの鳴動音も快適に、シリアスなファンク・ジャズ調のリズミカル熱演(ビートのパターンは曲によって様々)がトントン拍子で押し進められてゆく。モーダルな熱情性を含みつつ、どこかクール&レイジーに醒めたようでもあるヴェニガーの流暢なリリカル・ブローイングも中々の旨味を呈しており、薄味のファンキー色とドライな武骨さの入り混じったソウル節や、程好い脱力感を伴ったアグレッシヴ・アクションなど、音の動き(フレージング)と情感の込め様を(本来シンクロ符合すべきところを?)微妙にずらし外したかのようなその(肩透かし的)文脈構成は何ともユニークだ。キビキビと歯切れよく軽快な推進力に長けたdsのサポートも秀逸。冷涼でアンニュイな幻想気分の漂うサンバ調の静謐バラードが白眉。アジな意欲作。

Paradizer,Speedworld,The Breed Is Funkin',We Are Like That,Poem Of A Bird他全11曲収録
Peter Weniger(ts)Decebal Badila(elb)Wolfgang Haffner(ds)


WILL LEE / BIRD HOUSE
11
精確巧緻な超絶テクニックを有する名スタジオ・ミュージシャンで鳴らし、主にフュージョン系やヴォーカル、ポップス系のビッグ・スター達に重用されてきたベーシスト:ウィル・リー(1950年生まれ)が、ブレッカー兄弟やルー・ソロフほか馴染みの共演仲間を招集し、様々な組み合わせのコンボ体制でチャーリー・パーカーにゆかりのナンバー群を伸び伸びと奏したトリビュート・セッション企画物。モーダルな激動的アクション趣向も適度に盛り込んでの、スカッとした単純明解なブローイング・ジャム形式の快演が続き、各人の個性全開なソロ合戦の沸騰ぶりに見せ場を絞ったエンタテイメント性徹底重視の行き方(概ねウォームな寛ぎめの抒情派路線)が好もしい。とりわけ、ハード・ドライヴィングにしてかなり渋〜いブルージー・ギターの大立ち回りと、硬角質に引き締まった職人的バップ・ピアノがスリリングに渡り合うAu Privaveが最高。

Confirmation,Now's The Time,Lover Man,Hot House,Yardbird Suite,Cheryl他全12曲収録
Will Lee(b)Bill Lee(p)Billy Hart(ds)Michael Brecker(ts)Randy Brecker(tp)Lew Soloff(tp)Warren Chiasson(vib)John Tropea(g)Bob Dorough(vo)


DAVID GAZAROV / MAD CLOWN'S DREAMS
12
AnimaレーベルでのC・イスラエル他との共演諸作やOrganic Music並びに当レーベルでのトリオ・セッション等で知られる、ドイツのシーンで90年代以降メキメキと頭角を現してきたアゼルバイジャン-バクー出身のピアニスト(モスクワで音楽を学んだ後ドイツに渡る)の、今回はエリントン楽団の屋台骨を支えた大ベテランJ・ウッドとのデュオ演集。端正でエレガントなバラード的風合いを呈した情趣深き抒情派演奏数曲や、ハードでダイナミック=豪快な殺陣アクションの妙味にポイントを絞った迫力満点の大立ち回り熱演曲、洒脱でスインギーなノリを示す寛ぎ小唄調の軽快演奏、ピーターソン・タイプの豪快なファンキー・ブルース、など多彩なアプローチが次々に繰り出され大いに楽しませる。名手ウッドのあらゆる形状に音像を変化させてゆく自由自在なサポートぶりも秀逸だ。ヨーロピアンな耽美色や瞑想感を激しい立体力学攻勢の中に散りばめたオリジナル数曲がとりわけインパクト大。

Sophisticated Lady,Take Five,Darn That Dream,These Foolish Things他全13曲収録
David Gazarov(p)Jimmy Woode(b)


DAVID GAZAROV TRIO / BLACK VISION
13
アゼルバイジャン-バクー出身、モスクワで音楽を学び、リリース時はドイツで活動するp者のトリオ作品。超明快な硬派のハードバップ・ピアノの粋を示す、またモーダルな熱気とダイナミズムのほとばしる大半のトラック、立体力学的語法を活かした雄渾の詩的ロマンティストぶりを発揮する躍動型叙情曲、辺りのシンプルでストレートな職人っぽい昂揚感の盛り上げ具合が壮快。一方瞑想的・内省的なデリカシーとソフィスティケーションに溢れた変則バラードや、エヴァンス調の耽美的インタープレイ曲、の転回趣向も中々の妙味。単純明解なエンタテイメント作品。

Lazybird,Like Someone In Love,Solar,Round Midnight,Lotus Blossom他全10曲収録
David Gazarov(p)Chris Lachotta(b)Keith Copeland(ds)

★和ジャズの本が出ます!! 和ジャズ・ディスク・ガイド Japanese Jazz 1950s-1980s by 塙耕記 / 尾川雄介

  • 2009.08.03 Monday
  • 04:21
★和ジャズの本が出ます!! 和ジャズ・ディスク・ガイド Japanese Jazz 1950s-1980s by 塙耕記 / 尾川雄介★ 本書は“和ジャズ”として再評価著しい作品を網羅した初のガイド・ブック。約400枚におよぶディスク・レヴューに加え、アーティスト・インタヴュー、当時の熱気を伝える貴重な写真、そしてマニア垂涎の巻頭“帯付LPギャラリー”など、和ジャズの魅力をあますことなく伝える決定的な1冊です!

※THINK!の作品一覧はこちらからどうぞ! 和ジャズ

★ポップな現代感覚と粋なジャズ・スピリットを兼ね備えた今時の新個性派ヴォーカル 良品ピックアップ小特集

  • 2009.04.18 Saturday
  • 04:44
ムード★ポップな現代感覚と粋なジャズ・スピリットを兼ね備えた今時の新個性派ヴォーカル 良品ピックアップ小特集ムード

◆一覧はこちらへ

ERIN BODE / A COLD DECEMBER NIGHT
A Cold December Night


MaxJazzやNative Languageの諸作品でお馴染みな、現在はセントルイスを拠点に活動している美人歌手の、インティメイトなウィンター・ソング集。清楚で可憐な、しっとりとした涼風のような歌い回しが実に幽玄深い。極楽盤。





MELODY GARDOT / MY ONE AND ONLY THRILL
My One And Only Thrill


前作「Worrisome Heart」が爆発的ロングセラーとなったフィラデルフィア出身のSSW派の才媛の、聴く者を優しく包み込む繊細でチャーミングな歌唱が益々の好調ぶりを見せた、オリジナル曲中心の会心作。


HARCSA VERONIKA / RED BAGGAGE
Red Baggage


ハンガリーの人気若手シンガーの快調3作目。そよ風のようにスッキリ爽やかな柔らかいクール・ヴォイスによる、ウィットも利いたきめの細かい寛ぎキュート節が、どこか儚く翳のある映えを見せて超素敵。


NIKOLETTA SZOKE / GOLDEN EARRINGS
Golden Earrings


澤野盤「A Song For You」にも好評を集めたハンガリーの歌姫の、ギター&ベースとの最小緊密ユニット体制を基本とした、デリケートで艶やかな瑞々しいロマンティック名唱が横溢する逸品。


ANNA MARIA JOPEK / JO & CO ; BMW JAZZ CLUB VOLUME 1
Jo & Co


快進撃を続けるポーランドの大人気歌手のライヴ集。陰影ある爽涼な美声での、しっとりめの囁きバラード節とダイナミックなシャウト熱唱を細かく使い分けた、メリハリ充分なアンニュイ風情の物語的歌い回しが、また一段と鮮やかな深化ぶりを見せている。


SOLVEIG SLETTAHJELL / DOMESTIC SONGS
Domestic Songs


充実作を連発しているノルウェーの個性派シンガーが、SSWの本領をじっくりと、清涼感たっぷりに発揮しきったピアノ弾き語りの感動的・夢幻的バラード編。


HEIDI SKJERVE / MORNING NEWS OF THE WOODS
Morning News Of The Woods


ノルウェーの才気溢れるソングライター肌ヴォーカリストの、Curling Legsでの2作目。ヒンヤリした清澄な端麗ヴォイスによる、微妙にフォークな「北欧ポップス」的文体を根幹とし、ジャズ語法による耽美派バラード表現も大きく加味した、クリアーかつ妖艶なリリカル歌唱がフレッシュに冴える。


ALEKSANDRA KWASNIEWSKA & THE BELGIAN SWEETS / ISLAND GIRL
Island Girl


ロンドンで活躍するポーランド系女性歌手の、レギュラーの小ユニットを率いたデビュー作。キュート・タイプの柔和な歌声キャラを十二分に活かしきり、甘美でドリーミーな詩情世界を軽妙洒脱に、優しく創出してゆく様が何とも愛らしく快適。


VIKTORIA TOLSTOY / MY RUSSIAN SOUL
My Russian Soul


多種多様なフィールドで活躍するスウェーデンの人気才媛の、ロシアに因んだ歌曲集。クール&キュートな繊細耽美調、渋いサビの利いたブルージー熱唱、開放感溢れる爽やかなポップス風、など、チョイ女優っぽく楽しげにキャラを演じ分けて見せる語り口の妙が◎。


REBECCA MARTIN / THE GROWING SEASON
The Growing Season


MaxJazzにも録音があったアコースティック・ギター弾き語り女性シンガーのコンボ作。トーン高めのきめ濃やかな軽涼ヴォイスによる、力を抜いて自然と気流に乗り、ふんわりスイスイと舞い泳ぐような、優しくも吟醸味豊かなリリカル歌唱が何とも清々しい。


CAECILIE NORBY / SLOW FRUIT
Slow Fruit


ロック歌手からジャズに転向したデンマークのセミ・ベテランの、ラーシュ・ダニエルソンとのコラボによるオリジナル曲集。潤いと艶に富み、伸張力や安定感も自然と備わった、トーン低めな落ち着いた美声での、詩とメロディーを丹念に、優しくも小気味よく体現してゆく、リキみなき熟達のリリカル歌唱が殊の外爽やか。


SOFIA PETTERSSON / IN ANOTHER WORLD
In Another World


スウェーデンの人気中堅歌手の、自作曲を中心とした勝負作。ポップな間口の広さを感じさせつつも根はジャズ派っぽい、一本芯の通った清楚でデリケートな節回しが瑞々しい魅力を放った、超快適にして密度の高い逸編。


PAULA RAE GIBSON / NO MORE TIPTOES
No More Tiptoes


前衛アート写真家兼ジャズ・ヴォーカリスト、というユニークなプロフィールを持つ英国の才媛の、鍵盤奏者とのデュオ編。陰影深く艶やかな、ハスキー感にも富む落ち着いた中音域のクール・ヴォイスによる、妖しい瞑想感や夢幻気分を漂わせつつのアンニュイ&レイジーな抒情派歌唱、が蠱惑的魅力を発散。


MADELEINE PEYROUX / BARE BONES
Bare Bones


今日版の白いビリー・ホリデイ的な芸風で加速的に人気を集めてきたトレンド歌手の、過去作品と同じく今回も偉才ベーシスト:ラリー・クラインを参謀(プロデューサー)に迎えて、持ち前のフォーク・ブルージーなSSW体質の名調子を遺憾なく揮いきった最新快打編。



★北欧女性ヴォーカル特集

  • 2009.01.16 Friday
  • 15:32
昨年、北欧女性ヴォーカル人気4作品が1,500円というお求めやすい価格で再発され今もなお、好評を得ています。北欧女性ヴォーカルは以前より人気はあったものの、最近の注目度の高まりは今まで以上のもの!1500シリーズも含め、この機会に再度、掘り起こしてみました。

北欧女性ヴォーカル名作4タイトル 1,500円シリーズ
SOLVEIG SLETTAHJELL / スールヴァイグ・シュレッツタイエル 1
妖艶にして豊潤な、まろやかめのクール・ヴォイス(線はちょっと細くややハスキー)も魅力たっぷりに、しっとりとした、甘美で優しい正攻法の抒情派バラード調(ムーディーなリラクゼーション抜群)スタイルが骨子を成す。音質的にも評価が高い一枚。
SOLVEIG SLETTAHJELL / シルヴァー
2
前作が好評を博している、ノルウェーの女性歌手のニュー・アルバム。編成はレギュラーの5人ユニット。曲はスタンダード中心。爽涼な潤いと透明感を帯びた、やや低めのまろやかなハスキー・ヴォイスでの、幾分かレイジーに声音を引き擦ってゆくかのような、つぶやき調の妖艶なバラード演唱が何とも魅惑的。
INGER MARIE GUNDERSEN / MAKE THIS MOMENT
3
ノルウェー・シーンで活躍する女性歌手の一編。Kristiansand録音。伴奏は、ピアノ・トリオを軸とした小コンボ。しっとりとした爽涼な潤いと透明感に溢れた中音域の柔らかなハスキー・ヴォイスでの、優しく穏やかに和んだ情緒を映し出してゆく自然体の抒情派演唱が冴えた快適内容。清新で親しみやすく味わい豊かな和み系の逸品。
RADKA TONEFF,STEVE DOBROGOSZ / FAIRYTALES
4
夭折の女性歌手、ラドカ・トネフのラスト・レコーディング。特別な一枚として、今も語り継がれる名盤です。

★ラドカ・トネフの未発表音源も好評です!!
RADKA TONEFF / BUTTERFLY5
仄かなフォーク・フィーリングを含んだ北欧系らしい田園牧歌的かつ内省的なバラード表現にワン&オンリーの妙味を発揮、70年代から80年代初期にかけて綺羅星のような活躍を見せて消えて行ったノルウェーの個性派歌手:ラドカ・トネフ(1952年ノルウェーのオスロ生まれ、1982年死去)。

没後26年になるラドカ・トネフの貴重な未発表音源集の登場です。
バンド・メンバーで良きパートナーであったアーリル・アンナシェン(アリルド・アンデルセン)の選曲による、全12曲+2ボーナス・ビデオ・トラック(当時24歳のラドカのTV出演時のみずみずしい映像)!音質も良く、選曲も良く、歌も良く、北欧の女性ヴォーカルが注目を集めるよりずっと以前に活躍した天才女性ヴォーカリストの魅力を今に甦らせる、魅力溢れる1枚です。本国ノルウェーでは伝記出版をはじめ記念コンサート、TVドキュメンタリー番組が組まれ、ラドカへの関心が再び高まっています。


▼注目の人気北欧女性ヴォーカル▼
LOVISA /THE GIRL FROM IPANEMA
HEIDI SKJERVE / MORNING NEWS OF THE WOODS
NILS LINDBERG,MARGARETA BENGTSON / AS WE ARE
CARIN LUNDIN / SMULOR OCH PARAFRASER
LINA NYBERG ,MAGNUS LINDGREN / BRASIL BIG BOM
EMMAR LARSSON / IRIE BUTTERFLIES
SLIDING HAMMERS / SINGS
MIRIAM AIDA / COME ON HOME
VIVIAN BUCZEK / STRAIGHT FROM MY HEART
KAYA BRUEL / THE LOVE LIST

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★MUSIC MECCA 旧譜 PICK UP!

  • 2008.06.06 Friday
  • 22:26
ムード★MUSIC MECCA 旧譜 PICK UP!ムード
★MUSIC MECCA 旧譜小特集

しばらく入荷が難しい状況だったデンマークのレーベルMUSIC MECCAが再び入荷可能になりました。一度入荷すると次の入荷までに時間がかかるレーベルです。
旧譜をピックアップし小特集してみました。
この機会にご注文を! 次回入荷確保分締め切りは6月10日まで!

JESPER THILO QUARTET / TOGETHER
JESPER THILO / TRIBUTES
JENS SONDERGAARD / A BAD CASE OF JAZZ
MAX LETH KVARTET / HVORFOR ER LYKKEN SA LUNEFULD
THOMAS FRYLAND / THE MAIN INGREDIENTS
JESPER LUNDGAARD / CELLULOID
MAX BRUEL / RECORDINGS 1950-1957
VINI IUEL & THOMAS CLAUSEN / IN A TIME OF HER OWN
OLIVIER ANTUNES & JESPER LUNDGAARD / ARCHING
ERIK MOSEHOLM / KOMPOSITIONER 1957-1982
OLIVIER ANTUNES, JESPER LUNDGAARD / JUL
BULOW/BESIAKOV QUARTET +BERNT ROSENGREN / HEARTACHES
JESPER LUNDGAARD TRIO / SCULPTING
MUSIC MECCA

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